会いにゆく


キャンバスにアクリルガッシュP12号(60.6×45.5cm)



久しぶりに、思い入れの場所へ行った。
世界の中にぽっかりと空いた草原。
周りは木に囲まれてて、細い道が縦に草原を割っている。
鉄塔に跨がれてて、上を見上げたら、何重もの電線が走っている。


たまに人が散歩に来たり、草原で寝そべってたりする。
自分だけの特別な空間だと思っていても、人の行き来があって、鉄塔なんかの人工物が視界に入り、世界と繋がってることがわかる。
まるでその草原は、心の中みたいだと思った。



そこが自分の帰るべき場所だと、本気で思っていた中学時代。
ずっと会いたかった人。
こちらから、あるいは向こうから、会いに来てくれるのを待っていたのかも。



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