百日紅の庭



テレビで報じられているいじめの問題なんて、氷山の一角でしかない。
大人は気付かない。
親に相談?できないよ。
いじめられている人は、自分が弱いのだと、恥ずかしいのだと思っている。
人に言うのが、どれだけの勇気が必要か。
自分を好きでいてくれている人に、「私はいじめられています。学校ではいつもひとりです」なんて言えるわけがない。
一生懸命育ててきてくれたのに、弱い所見せたくないって。
「言うこと」は、すごく勇気のあることで、強いことなんだって気付いてほしい。


いじめる人も、「自分は人をいじめるずるい奴」なんて言えない。
好きな人には嫌われたくないもの。
「いじめ」なんて言葉があるからいけないんだよ。
人間関係のちょっとしたズレなんだ。
人間関係が上手くいかなくて自殺してしまう大人もいる。
多くの大人は、年をとると人間関係を良好にするコツをつかむから公に出ないだけで。
いじめる人も、自己を守るためにしてしまうこともある。
誰かを攻撃しないと自分を保てなくなる。


例えば、女の子が数人のグループ、ある日突然一人の子がグループから外されてしまう。
その子はクラスの何人かから嫌われていて、グループの女の子たちは「嫌われ者の子と仲良くしていたらよく思われないんじゃないか、同じにされたくない」
そういった思いで、その子をグループから外してしまうのだ。(当時では"はみご"と呼ばれていた。はみ出した子、はみご)


人は2人以上になると人間関係が生まれる。
程よい距離をとるとそれなりに上手くいく。
でも、教室とか校舎とか、狭い空間の中に何百人もぎゅうぎゅう詰めにすると、必ず人にぶつかるし、摩擦も起きる。
狭い、狭い世界。
もっと、もっと広い場所に出て。
上手くいかなかったら、通う学校を変えればいい。
それは逃げなんかじゃない。
学校を、いじめた人たちを、置いていくんだ。
先生は生徒と会話して。
会話しようとすることが一番大切だから。
10何年もかけて育ててきたわが子を失うのは、想像もできないくらいつらいことだ。



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